子供の自己肯定感の現状について
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、自分のあり方を積極的に評価できる感情であり、自らの価値や存在意義を肯定できる感情などを意味する言葉です。
自己肯定感が高ければ、
★自分に自信をもって行動できる。
★様々な物事に取り組む意欲が高い。チャレンジ精神旺盛。
★積極的に友だちに関わる。コミュニケーション能力が高い。
★失敗しても落ち込みすぎない。立ち直りが早い。
★ポジティブな考え方ができる。
というような心を持っています。
当然、そのためには、家庭での子供と親の関わり方が大きく影響します。
愛されて育った子、自分の存在価値を認めてもらいながら育った子は、自己肯定感が高くなると、多くの育児書にも書いてありますね。
日本の子供の自己肯定感は、世界各国と比較して最低レベル!
内閣府も、そんな子供たちの実情や心理を、毎年様々な視点で調査をして公開しています。
調べてみると、内閣府が毎年調査する結果に、驚きの現象がありました!
グラフ資料「平成26年内閣府調査資料」より
「親から愛されている」
「親に大切されている」
という心情は、各国80%以上の高いレベルになっていますね。
これらの国では、衣食住に困る事なく、誰もが義務教育の機会を与えられ、レジャーや習い事、誕生日会などの和やかな家族パーティーなど、当たり前となっている家庭がほとんどなのでしょう。
日本の親子の関り方も、
うちは上手くいっているわ!
褒め言葉も、小さい頃からたくさん声かけてきたわ!
など、問題がないと思っている方も多いでしょう。
ところが、子どもが「自分自身に満足しているか?」という点に関する質問では、
日本だけ、45.8%と、50%以下!
グラフ資料「平成26年内閣府調査資料」より
世界各国と比較して最低レベル!なんです。
愛されて、大事に育てられてるはずなのに、自己肯定感が、低い子が多いことが、次の質問からも分かります。
「つまらない、やる気が出ない」と感じた
ことについての質問
グラフ資料「平成26年内閣府調査資料」より
今度は、日本が76.9%と、世界各国に比べトップになっています。
「ゆううつだと感じた」についての質問
グラフ資料「平成26年内閣府調査資料」より
やはり、これも、日本はトップになっています。
無気力で、やる気も無く、自己肯定感が低いことが分かります。
また、別の年度では、次のような資料もありました。
困難経験の主な理由(自分自身について)
グラフ資料「2019年度内閣府調査資料」より
資料の「困難」とは、社会生活や日常生活を円滑に送ることができなかった経験についての質問となります。
最も多かったのが、「人付き合いが苦手だから」というのが「困難」に挙げられています。
続いて「何事も否定的に考えてしまったから」
となっています。
自己肯定感が低い特徴とも言える2つの理由ですね。
他の年度に、もっと様々な視点から探る質問がありますが、どれも、自己肯定感が低い割合が多いことを示す結果となったものが多かったです。
しかも、小学生よりも中学生など、年齢が上がるほど、自己肯定感が下がっていきます。
このようなことから、
日本の子供たちは、家庭の外では、人間関係に悩むことが多く、それプラス学業や部活などの悩みも加わることで、
毎日が、憂鬱だったり、自己肯定感が低いため頑張る意欲が起こり難くなっていると考えられます。
幼少期から自己肯定感をしっかり高めることで、コミュニケーション能力の高い子に育って欲しいし、上記のようなトラブルをもっとポジティブに受け止めたり、
積極的に挑戦できる性格になって、「自分自身に満足」と答えられるように育てていきたいですよね。
そのためには、やはり、幼少期の親の関わり方・声掛けは重要であることが分かります。
特に、上記のアンケート調査から、愛情面は、十分足りているようでも、
”自分の存在価値を認めてもらいながら育った子”
という点について、承認欲求を満たされずに成長していく子も多いということになります。
では、どのように子どもと接することが必要なのでしょうか?
子どもの承認欲求が満たされない”褒め方”とは?
七田式の教育理念・「認めてほめて愛して育てる」
幼児教育の老舗「七田式教育研究所」でも、昔から、乳幼児期から、
「認めてほめて愛して育てる」
という子育て法を勧めていることでは有名ですね。
まさに、この言葉は、自己肯定感を高める大事な要素と言えます。
我が家でも、この言葉を念頭に、大げさなくらい、
「スゴイねー!」「出来たねー!」
など、立ち上がっただけでも、拍手し、
2~3歩でも歩けば、またさらに喜び、
自分で着替えられるようになったら、しっかり褒めてあげたつもりでした。
ところが、成長と同時に、自分でも気が付かないうちに、
褒める < 叱る
と、だんだんと褒めるよりも叱る回数の方が上回るくらいに変化していたのです。
それを敏感に不満に思っていたのは、息子本人だったようです。
▶当時の息子の様子体験談見る⇒(※サイト内記事)
それでも、幼少期はたくさん褒めていたのに・・・。
今思えば、幼児期から、なぜか、褒めてもらいたがるようになった息子!
褒められる行ないが出来たときには、しっかり褒めてあげ、
お手伝いが出来た時にも、
「○○君が手伝ってくれたから、とても助かったわ~。ありがとう!」
と伝え、頭をよしよし!と撫でてあげたりしました。
「大好きだよ~!」
ハグも、いっぱいしてあげ、まさに、
七田式子育て法
を十分に行なってきたつもりだったのですが・・・。
思ったほど、自己肯定感が高くない⁉
それなのに、成長とともに、
・自分に自信がない。
・臆病でチャレンジ精神がない!
・宿題や勉強よりも、テレビやゲームが好きになり、学習意欲が少ない!
など、目立つようになりました。
そこに、ついには、反抗期まで加わってくると、褒める機会もほとんどありません。
褒める < 叱る
自己肯定感の低い様子と叱ることが増えたのは、どちらが先だったのかな~?
「伝え方コミュニケーション検定」で子育ての悩みと向き合う!
心理学「性格統計学」を利用した「伝え方コミュニケーション検定」が悩みを解決してくれた!
そんな時、心理学の「性格統計学」について学ぶ機会を頂きました。
「伝え方コミュニケーション検定」では、子どもの心に響く言葉で、
褒めたり、叱ったり、励ますことで、
親子のコミュニケーションギャップを取り除き、
お子様のタイプ別に、どのような接し方(タブー)や、
褒めたりすれば、承認欲求を満たしてあげることが出来るのか?
また、成功体験を積み重ねるためには、お子様のタイプ別にどんなことを注意してアドバイスや励ましをするといいのか?
などを学ぶことが出来るカリキュラムになっています。
学習したことを、その日から、家庭で実践できる!
「伝え方コミュニケーション検定」での学習は、”一般的なお子様”という解釈ではなく、
我が家の家族の個々のタイプが○○だから・・・。
と、自分の家庭をベースにして、取り組みや学習をすることができます。
他人の家庭の子ではなく、自分の家庭の中で、性格統計学を実践するため、
効果や子供の行動の変化が、目の当たりにできる!
というのが、資格検定心理学講座の中でも、大きな違いがありました。
褒めたつもりが褒めていなかった?
この「伝え方コミュニケーション検定」を受講して目から鱗が落ちるほどの衝撃を受けたのは、
性格統計学の観点からみると、
人の心に響く言葉がそれぞれ違うため、
同じ言葉でも、3人中1人の割合でしか、「褒められた!」と受け取られない!
という現象が起こっているとの説明を聞いたときです。
つまり、性格統計学に当てはめると、私は、長年、息子を褒めたことがない!
に相当してしまうのです。
言われてみると、その心当たりもちゃんと記憶にありました。
息子が、なぜか、
「僕を、褒めながら育てて!」
と、自分から心の悲鳴を発信していたことにも気が付かずに、
「この子、何言ってるの?」
と、聞き流していたのです。
(※年齢が上がるにつれて、喜ぶ反応がイマイチだったり、褒めてもらえない、話しを聞いてくれないと、不満を漏らすことがありませんか?)
【我が家の反抗期までの道のりの失敗談の記事は、こちら!】
子どもの承認欲求が満たされない”ありがちな失敗例”
褒めたつもりが意外な落とし穴!ー子供にとって、自己肯定感を下げる発言が多かった!
我が家でも、赤ちゃんの頃からは、確かにいっぱい「すごいねー!」と褒めていましたが、
幼稚園に行く頃から、
遅刻するから、ぐずぐずせずに早く着替えなさい!
と、急かしたり、小学校に上がれば、
宿題を早くしなさい!
どうして、毎回同じ計算ミスをするかな~。
汚い字で計算を書くから、見間違えて計算を間違えるんでしょ!
と、生活面のことから、勉強のこと、塾に行くようになると、塾の模擬テストの結果やランキングをみて、あれこれ愚痴るようにも・・・。
そして、
私としてはアドバイス、しつけ、将来のために・・・。
と心の中で思いながら、注意してきた回数の方が、褒める言葉を上回るようになっていたのも、性格統計学を学んでみて、初めて気づかされました。
この原因は、自己肯定感を低めてしまった大きな要因かもしれません。
遠回りをしましたが、ようやく、性格統計学に出会って、親の使う言葉一つで、子どもの心の自己肯定感の上げ下げに、こんなに大きく影響していたことを、
深く反省するきっかけにもなりました。
特に、小学校以降になれば、勉強が本格化し始めるので、気を緩めすぎている息子を見ると、ついつい言いたくなってしまう小言の数々。
その小言も、全然聞いてくれない様子に、
「ちゃんと聞いてる?」
と、声を荒げてしまうことも。
さらに、性格統計学では、
「わあ~、すごいねー!算数が100点~!
で、国語は?」
という言い方も、必ずやっていましたが、これも、NGな言い回しで、
それって、褒めていないよ~!
と言われました。
このように、性格統計学を学ぶことにより、上記の紹介したグラフのように、
と、育ってもおかしくない我が家の発言の数々を思い出すこととなりました。
自己肯定感は、子どもが褒められた!
と思った時や、成功体験として嬉しく感じた時に上がります。
褒めたつもりの後の「悪い点のテスト結果を聞く」ということは、
褒めた言葉が帳消しにされていたんですね。
その結果、
「悪い点のものがあるせいで、自分は褒めてもらえない・・・。」
と、モチベーションを下げてしまっていたことも原因となっていたようです。
受験を控えた時期は、特にこのような発言に要注意です!
その他、自己肯定感を下げる言葉
さらに、一般的な育児書からも、自己肯定感を下げる言葉や行動をいくつか調べてみました。
・「まだ〇〇してないの!?」(否定的な言葉で叱る)
・「何度同じこと言わせるの!」「早くしなさい!」(叱ることが多い)
・「また忘れたの?」(失敗を叱る)
・「今忙しいから、あとでね!」(親が話をあまり聞いてあげていない)
・「(条件の例:100点とって)すごいね~!」(条件付きの褒めことば)
・「そんなやり方ではだめよ。ママ(パパ)の言うとおりにやってごらん!」(過保護、選択する機会が少ない)
・「○○ちゃんは、ちゃんとやってるのに、あなたは・・・」(誰かと比較する)
日頃、ちゃんと褒めていると思って安心していても、このようなマイナス的な言動が、その都度、自己肯定感を下げる原因となってしまいます。
自己肯定感を高める性格統計学のメソッドとは?
性格統計学から見たタイプ別「響く言葉」・「響かない言葉」がある!
でも、「伝え方コミュニケーション検定」には、お子様のタイプ別に、
”自己肯定感を下げない!話し方のコツ!”
があるので、フォロー講座を利用して、直接、我が家のケースを指導してもらうことができました。
動画や書籍などから性格統計学の理論を学ぶことはできたのですが、
自分の家庭に当てはめて応用するのは、なかなか難しいところがあるので、
理論の応用の仕方まで直接オンラインで学べたのは、非常に価値のある学習となりました。
性格統計学の理論とは?
性格統計学で3つの分類に性格タイプを分けると、
同じ褒め言葉(例:「すごいねー!」)を聞いても、
「褒められていない!」と感じる子に、感想が分かれる!
というように、
同じ言葉でも、人によって、言葉の受け取り方が違うことを統計学を使って体系的に研究・開発されたものになります。
その理論を私の家族に当てはめると、あまりにも当たっていることが多いことに驚きました。
家庭学習に取り組んだ時にも、
「通信教材、毎日自分から取り組んで頑張ってくれるから、ママも嬉しいわ~!」
これは、ピースタイプ(私)以外の家族(ビジョンタイプ)は、褒められたようには聞こえないそうです。
だから、ビジョンタイプの子どもは、「褒められた!」と、成功体験にはつながっていません。
ピースタイプのママがよく言う些細な言葉で、
「どうして、○○にしたの?」
「なぜ、○○なの?」
私は、ピースタイプなので、しょっちゅう言ってましたが、
これは、ビジョンタイプには、タブー!な発言だということも知りました。
そんなことまで差し引くと、うちの息子の「褒められた!」と感じることが出来たのは、”ごく僅か”ということになってしまうわ~!
このように、タイプ別に、
心に響く(嬉しいと感じる)褒める言葉
心に響かない言葉
タブーな行動
おすすめな励まし方
注意やアドバイスのやり方 があり、
これらを、家族みんなのタイプ別に合わせて行なわないと、コミュニケーションギャップが生じてしまい、
”褒めたつもりが、褒められていない!”
という現象になることを学びました。
こうして、我が家も、心当たりがいっぱいで、
と育ってしまったようなのです。
日本の子供たちの自己肯定感が低い原因の中に、
勉強のこと、生活面でのこと、きょうだいの比較など、
様々な子育て中の失言や、こども本人が嬉しく思うような褒めことばを上手く伝えられていなかったことも要因にあるかもしれませんね。
性格統計学「伝え方コミュニケーション検定」とは?
稲場真由美著書「わが子がやる気になる伝え方 ~性格3タイプ別の声がけで自己肯定感が高くなる~」に書かれている考え方で、
16年間で、のべ12万人の性格と、言葉の伝わり方を分析・統計学にして、子育て向けに応用した内容となっています。
それは、
☆ピース(※正確には、ピースは、さらに2つに分けられます。)
☆ビジョン
に分類されます。
最近では、よくテレビにも取り上げられています。
性格統計学で学んだ心に響く褒め方とは?
大人から子供まで、心に響く言葉の言い回しが3パターンあり、
次に挙げるようなタイプ別の特徴に、心が響くことが性格統計学で分かってきたのです。
以下の褒め言葉の例が、嬉しく思うタイプと、嬉しく思わない人が感じる印象です。
【ビジョンタイプ】
心に響く言い回しの特徴:短い言葉・情感がある言い方
(ビジョンタイプ以外の印象:軽い!本当にそう思ってる?)
【ピースタイプ】
心に響く言い回しの特徴:人の役に立てた言葉、感謝
(ピースタイプ以外の印象:褒められたというよりも、お礼じゃない?)
【ロジカルタイプ】
心に響く言い回しの特徴:細かく状況説明をする。
(ロジカルタイプ以外の印象:褒めたというよりも、状況説明じゃない?)
このように、「タブー」と「心に響く褒め言葉」を意識しながら接することで、少しずつ子どもの承認欲求を満たしていくと、自己肯定感を上げやすくなります。
「タブー」を減らし、「褒める」を増やす!
まとめ
もし、あなたも、例文の中から、1つだけ褒めことばに聞こえるものがあったとしたら、
あなたのお子様にも、どれか一つだけ、褒められたと感じる言葉があります。
それは、親と違うこともあります。
もし、心に響かない褒め言葉を言い続けると、
「僕、褒められたことが無い!」
というお子様も、現実に存在します。
うちの息子も、息子自身から、それに近いことを言われました。
褒め言葉が、もっとたくさん心に響くようになると、
褒められて嬉しかった気持ちの積み重ねが、承認欲求を満たし、自己肯定感を高めることに繋がっていきます。
いじめも、本人がいじめと思えば、いじめになる。
パワハラも、された側がパワハラと感じれば、パワハラとなる。
セクハラも、本人がセクハラと感じれば、セクハラとなる。
褒め言葉も、これと同じで、
と言えるのではないでしょうか。
これからは、自分の嬉しいと思う言葉(伝える側の褒めことば)でなく、お子様ご自身の嬉しいと思う言葉(受け取り手の喜ぶ言葉)でほめてあげたいと思いませんか?
お子様が、嬉しく感じた時、本当の
「認めてほめて愛して育てる」
という子育てになるのではないでしょうか。
この性格統計学についてもっと詳しく知りたい方は、
☆市販の著書「わが子がやる気になる伝え方 ~性格3タイプ別の声がけで自己肯定感が高くなる~ 」
又は、「自己肯定感アップ!我が子に合った「ほめ方」がわかる!伝え方コミュニケーション検定」
で詳しく学ぶことができます。
【稲場真由美著書】
\簡単に、ポイントを知りたい!/わが子がやる気になる伝え方 ~性格3タイプ別の声がけで自己肯定感が高くなる~ |
【「初級編+中級編」】 \より詳しく!直接相談もしたい!/ |
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