小学生向けの夏休み読書感想文の書き方・上達法について
お子様にとっては、楽しい夏休み!
しかし、楽しいはずの夏休みに、気持ちに暗雲が広がるのは、現実の宿題の山を目の当たりにした時ではないでしょうか。
漢字や計算プリントなどの宿題は、頑張ればどんどんこなしていくことができますが、この読書感想文だけは、「いつ終わるのか???」
原稿用紙を眺めるだけで、手が止まっていると、考えているのか、それとも上の空なのか、判断付かない光景ってこと、毎年の風物詩になっていませんか?
この小学生の作文や感想文は、今後、テストの記述式問題や小論文、社会人になってからは、報告書やプレゼンテーションの原稿などにも繋がっていくものなので、おろそかにできないものなんです。
ぜひ、簡単なステップから、夏休みの宿題がスラスラと毎年書けるように、日々、日記や作文などで練習してみませんか?
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小学生向けの夏休み読書感想文の書き方・上達法
読書感想文に困らないコツ①本の選び方(感想文を書き易い本の選び方)
ポイント①お子様の興味のある本を選ぶ
読書感想文は、選んだ本によって書き易さが異なってくるものです。
ラクに書き上げるためには、お子様の興味のある分野の本を選ぶことが、最も重要です。
興味が湧かなければ、読書中にも、気が散ってしまいますが、興味のある本ならば、引き込まれるように読み切ってしまうでしょう。
ポイント②課題図書など、優良読書などから選ぶ
興味があればどんな本でもいいのかというと、そうでもありません。
読書内容が幼稚過ぎたり、感想を述べにくいテーマの内容であると、作文が苦手なら、なおさら、感想文を書き難くなってしまいます。
一つの目安としては、本の背表紙などに、
「全国学校図書館協議会選定図書」
「日本図書館協会選定図書 課題図書」
「○○賞受賞」
など、何らかのその本に対する評価がされているものから選ぶと、読書感想文にふさわしい内容であることが分かります。
また、毎年、読書感想文のコンクールでは、「課題読書」が決められますので、その中から選ぶか、また、慣れないうちは、過去の課題読書で、自分の学年よりも低いものを選んで、「自由読書」として書くのもいいかもしれません。
それでも、読書や感想文が難しいようなら、教科書にのっているような本(教科書を読んだだけで、感想文にしてはいけない決まりがあります。別途、全文の本を読みましょう)や、
ロングセラーの本の中から、選んでみるのもいいと思います。ロングセラーの本は、親が子供のころから知っている有名本や、印刷が何判も刷ってあるようなものです。
ポイント③本のテーマから選ぶ
低学年のうちは、冒険ものやファンタジー、科学の本などが書き易いと思います。
なぜかというと、本の主題(テーマ)として、冒険ものやファンタジーのストーリーの場合、勇気・友情・信頼・親子愛などが描かれていれば、それを切り口にすることができます。
登場人物のそのような心情と、自分の気持ちや考えを比較して書くことができます。
また、伝記物や科学の本なら、読んで得られた知識や科学者の生き方や人生観などを切り口に、書き易くなります。
例えば、その本を読んで、「知ったこと」「驚いたこと」「尊敬できること」「自分の将来に役立ちそうなエピソードや言葉」などについて書くことができます。
書くことに慣れてきたら、中・高学年になるにつれて、命をテーマにした「戦争」や「差別」「いじめ問題」「動物の殺処分」のほか、「盲導犬」や「障害者」「バリアアフリー」のような社会問題をテーマにした本など、
少しづつテーマや読む本をレベルアップしていけるようにしましょう。
本のテーマが、はっきりしていればしているほど、切り口が見えやすくなり、書き易くなります。
そうして、選んだ本の「選んだ理由」をメモしておきましょう!
「選んだ理由」「興味を持った理由」なども、感想文に書くこともできます。
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読書感想文を書く手順② 作文を書く前の準備
※感想文を書く前の準備として、”付箋紙”と”作文メモ”を用意しておきましょう!
付箋紙で印しを付けながら読む!
本を読み終えた後、「あの場面が面白かった!」
と、そこを書きたくても、どこに書いてあったか分からなくなってしまうことって、しばしば見られます。
小学校低学年の場合は、ページ数も文字数も少ないので、読んだ後からでも探せることもあるかもしまれません。
しかし、何を書くか検討するために、心に残った印象深い話のあるページや、参考になった個所、物語の重要な展開シーンのある場所など、付箋紙を貼りながら、しっかり、チェックをしながら読み進めるようにすることで、無駄な時間と読み直しながら探す手間が省けます。
簡単なうちから習慣化することで、自然と身に付きますので、難しくて分厚い本になる前に、ぜひ、トライしてみるといいですね!
読み終えた直後の感想をメモにとろう!
読み終えた直後の感想は大事です。
しかし、小学校低学年のうちは、なかなか言葉にならず、「面白かった!」の一言で終わることも多いものです。
そんな時は、親が、インタビューをしながら、感想をメモしてあげながら手伝ってあげるのもいいかもしれません。
いずれ、そのインタビューのポイントが、自分ひとりで書けるようになると、上達し始めた証拠です!
インタビュー内容は、箇条書きにしながら、以下のような内容でサポートしてあげましょう。(読んだ本に合わせた質問を問いかけてあげて下さい。以下は、一例です。)
読み終えた感想は?
(※「おもしろかったぁ~」など、一つ目の質問の返事が、抽象的内容でもOK!)
(具体的内容をどんどん細かく書きだす)
・どうして、その登場人物は、そんな行動をとったのかな?
・どうして、その登場人物は、そんな風に考えたのかな?
・自分の身近にも、似たような出来事はあるかな?
・もし、自分だったら、その時どう感じたかな?
・もし自分だったら、その時、どう行動したかな?
・この本を読んで、今後の自分に何か参考になったことはあった?
・この本を読んで、今後、自分も気を付けたいと考えさせられたことは何かあった?
「結論」を考える
など、読んだ本から、前向きな感想の結論で締めくくれる一言を考えてみましょう!
読書感想文の書き方・上達法③「はじめ・なか・おわり」
出来上がったメモから、『はじめ・なか・おわり』を考えてみましょう!
【はじめ】・・・『本を選んだ理由』などを書きます。
【なか】・・・『作文メモ』から、心に残った場面や自分が考えたことや、感じたことなどを1つから2つ選んで書くようにします。
【おわり】・・・『結論』を書きます。
という流れで、作文メモを使って書いていきます。
【注意すること!】
・書きだした作文メモを、すべて感想文の中に詰め込むと、まとまりの無い文章になってしまいます。
【なか】は、【なか①】と【なか②】くらいに分けて、作文メモから2つ分くらいまでの話しが、読みやすく、まとまりのある文章になります。
例えば、【なか①】には、最も言いたいものを選び、【なか②】には、追加でさらに入れたいものをいれます。慣れるまでは、または、低学年のうちは、【なか】1つで大丈夫です!
【なか】に入れる内容を選ぶ時、2つのパターンがある!
☆1つ目・・・ストーリーの良い点・面白かった点などを2つ、【なか①】と【なか②】に入れる。(【なか②】の書き出しとして、「さらに」「そのほかにも」などと、追加的に続くパターン。)
【なか①】○○なお話がとても面白かったです。
【なか②】さらに(そのほかにも)、登場人物が✖✖したところが良かったと思います。
☆2つ目・・・ストーリーの良い点・面白かった点などを【なか①】に、ストーリー中の問題点・主人公の過ち・良くない行いについて気付いたことを【なか②】などに書く。
【なか②】の書き出しとして、「一方では」「しかし」「ところが」など、【なか①】とは、対称的な話し・エピソードを取り上げるパターン。
【なか①】○○なお話がとても面白かったです。さらに(そのほかにも)、登場人物が✖✖したところが良かったと思います。
【なか②】しかし(ところが)、登場人物が✖✖したことは、良くないと思いました。なぜかというと、~(その理由)
※【なか】は、作文の中で、言いたいことを伝える最も重要な中身です。
2つ目の【なか①】と【なか②】が対照的なパターンは、作文の基本の”起承転結”型なので、この書きパターンを習得しておくと、後に様々な文章(作文力・読解力問題)で大変役立ちます。
【なか】の詰め込み過ぎが原因で、作文が悪くなることがある!
【なか】は、作文で重要な役割をすると言えど、
【なか】の詰め込み過ぎが原因で、作文全体が悪くなるケースがあります。
例えば、「かわいそうなぞう」の感想文を書くとします。
しかし、【なか】の中で、
【なか②】戦争が悪い。やってはいけない。
ということで、書けば、作文の流れもまとまりがありますね。
しかし、次の場合は、どうでしょうか?
【なか②】戦争が悪い。戦争の犠牲になったのは、ゾウだけではない。戦争によって、核兵器が作られた。核兵器も恐ろしい武器だ。世界の平和のためには、核兵器は廃絶すべきだ。どうして人間は、戦争をするのか。
と、それぞれ話しを膨らませ過ぎて、本題から、外れてしまっています。
話しを膨らませるのは大事なことですが、違う話題や、メモ書きしたものをすべて書き足すと、どうしても本題からズレた内容が入ることがあります。
そのあたりは、親が出来上がった感想文を読んで、アドバイスをしてあげると、徐々に、いい作文になると思います。
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小学生向けの夏休み読書感想文の書き方・上達法④文法のチェック
文法チェック!
作文メモから『はじめ・なか・おわり』を作成した後は、親が文法をチェックしてあげましょう!
最初のうちは、多くは、赤ペンで修正してあげるといいでしょうが、少しずつ、どこを意識して書くようにすればいいのか、指摘してあげるといいと思います。
特に、小学生で気を付けたい項目は、以下のようなところです。
誤字・脱字
すでに習っている漢字を平仮名で書いていないか?
主語と述語はつながっているか?
「~で、~だし、~だったので・・」など、文を区切らずに何行にも渡って書かれた長い文になっていないか?
正しい接続詞が使われているか?
「~と思いました。しかも、~と思いました。そして、~と思いました。」など、同じ表現(言葉)が、何度も繰り返し使われていないか?
違う表現をしながら、同じこと(内容)を繰り返し言っていないか?
原稿用紙の使い方は、正しいか。また、文章の量は、適切か?(最終文字数は、原稿用紙の80%以上を目標に!)
など、チェックをしてあげましょう!
このような文法を少しずつ意識して書くように努力する一方で、表現力や語彙を増やしていけば、将来、あなたのお子様は、素晴らしい文章力を身に着けることができます。
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