クリスマスのシーズンになると、様々な場所で、イルミネーションを見掛けるようになりますね。
そのイルミネーションやクリスマスツリーの輝きを、特別なレンズをご購入されなくても、ご家庭にあるものを使用すれば、キラキラにして撮影することができます。
ぜひ、お子様とご一緒に、試してみてはいかがでしょう。
光の特性を知っておこう!
あなたは、もし、光の行く先に障害物があった場合、どのように進んでいくかご存知ですか?
光には、波と同じような性質があり、もし、物体に光が当たった時、光が物体の影の部分に回り込む性質を持っています。これを「光の回折」と言います。
イメージ的には、流れる水の波は、障害物に当たると、その障害物の裏側に水が回り込んで流れていきますよね。
光も同じで、障害物に当たり、その先に光が進むと、障害物の裏側に回り込むような、あるいは、小さな穴やスリットを通り抜けると球状に広がるように進んでいくのです。
この図は、平面波がスリットから回折する様子を波面で表わした模式図です。(「Wikipedia」よりーhttps://ja.wikipedia.org/wiki/回折)
【障害物が平面の光の幅より小さい場合】
平行に進行する光が障害物に出会ったとき、障害物の裏側(影の部分)に回り込んでいきます。
【障害物が大きく、小さな点やスリットなどある場合】
狭いスリットや小さな穴を抜けると、平面波から球面波に変化する。
【参考:「キヤノンサイエンスラボ」・・・https://global.canon/ja/technology/s_labo/light/001/03.html】
実際に、光の回折を実験してみよう!
光の回折の性質を、家庭にあるもので実験してみました。
障害物に当たると、光はどう進む?
※使用したもの:透明な弁当容器、クリスマスツリーのイルミネーション、デジカメ、紙やすり
赤丸の部分に、直線の傷を紙やすりで入れてみました!
紙やすりで傷を付けているので、1㎝幅の白い傷の中に、わずかな隙間をあけながら、複数の白い直線が並んだ状態になっています。
それから、電気を消し、暗くなったところで、クリスマスのイルミネーションを点灯し、デジカメのレンズ部分の前に、この赤丸で囲まれた部分をデジカメのレンズ部分に重ねて仮のレンズフィルターとして使用します。
そうして撮影した画像が、次のようになりました。
豆球の光は、傷の部分が障害となり、1本の直線に広がっています。
では、今度は、紙やすりで、赤丸の部分に「✖(バツ)」の傷を入れてみます。
先ほどと同じ手順で、これをデジカメのレンズのフィルターとして重ね、豆球を撮影してみます。
今度は、もう一本直線の光が増え、傷と同じバツ印のような光の見え方になりました。
このことから、何らかの障害物があると、光の進み方が変化するという性質がお分かりいただけと思います。
もっと自然なキラキラにするためには?
このように、レンズフィルターを家庭にあるもので作成すると、もっと自然なキラキラにすることもできそうです。
我が家でも、その他、傷のつけ方を曲線やジグザグ線など、いろいろと変えてみたのですが、どれも直線的なキラキラとなり、納得いくものではありませんでした。
そこで、自前の本物のキラキラ専用のカメラフィルターをよく見てみると、レンズの中に格子状の線が入っていることが分かりました。
そこで、家の中にある格子状のフィルターにできそうなものを、いろいろと撮影してみました。
生ごみネット、ストッキング、格子の線が入ったビニール製書類バッグ、メッシュ(格子)部分のある夏の帽子、網戸など、様々なもので試してみました。
すると、最も美しくクリスマスツリーを撮影できたものが次の写真です!
いかがですか?
自然にキラキラが撮影出来ていますね!
使用したものは、次のうちどれだと思いますか?
ストッキング | 洗濯ネット |
あく取り | 生ごみネット |
正解は、こちらです!
右と左で豆球の輝きが違いますね!
正解は、台所にある「あく取り」でした!
これを、レンズフィルターとして、デジカメのレンズに重ねると、
このようなキラキラなクリスマスツリーの撮影ができました!
これを参考に、あなたのお家でも、小学生くらいまでのお子さまと一緒に実験してみると楽しいと思います。